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生物多様性研の学生が第23回日本植物分類学会で発表しました。

生物多様性研究室の柴政幸君 (博士課程2年) が、第23回日本植物分類学会(東北大学)にて発表しました。

 

渓流沿い植物ヤシャゼンマイの葉柄柔軟性に関する力学的および解剖学的研究

演者:柴政幸(生物多様性研:博士課程2年)、福田達哉

要旨:渓流沿い植物が受ける地上部の水流ストレスは、これまで狭葉化等の形態変化によって回避していることが説明されていたものの、本研究では渓流沿い植物のヤシャゼンマイを例に、新たに葉柄の力学的特性と、それを可能にした葉柄の形態学的および解剖学的要因から明らかにすることを目的として研究を行った。力学的解析の結果、材料の変形しにくさを示す曲げ弾性率は者種間で有意差は認められなかったものの、曲げ変形した際に破断時の強度と変化率を示す曲げ強度と破断ひずみはヤシャゼンマイが有意に大きいことが明らかになり、これらの結果から同じ外力に対してヤシャゼンマイの方が折れにくいことが示された。形態学的結果では、ヤシャゼンマイとゼンマイの葉柄における断面形状に有意な違いが認められず、者種は同程度の楕円を保有していることが明らかとなった。また解剖学的結果からは、葉柄の皮層付近の)断面および)断面に関してヤシャゼンマイの細胞サイズの方がゼンマイよりも有意に大きいことが明らかとなった。これらの結果からヤシャゼンマイは、皮層付近の細胞サイズをゼンマイよりも拡大させることで、外力に対する細胞の支点間距離が長大化し、この長大化がヤシャゼンマイの葉柄の変位獲得に繋がったと考えられ、葉柄内の細胞サイズの増加がヤシャゼンマイの葉柄の柔軟性に寄与していると示唆された。

 

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