教員 | 准教授 津村耕司 つむらこうじ |
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研究内容 | 宇宙望遠鏡を用いた赤外線観測天文学 |
社会との接点 | 宇宙機搭載の装置開発を通して、社会に役立つ最先端の装置開発にも貢献 |
せたがやeカレッジ:宇宙旅行体験を通して学ぶ最先端の宇宙の姿
- 第1回 「太陽系の姿」
- 第2回 「銀河系の姿と宇宙の果て」
研究室をさらに詳しく
研究内容
本研究室では、観測天文学の研究を進めています。主な研究対象としているのは「宇宙の明るさ」です。宇宙で光を放っているのは、星や銀河など形のはっきりとした天体だけではありません。一見何も天体がないように見える空も、うっすらと光っているのです。何もない空の明るさ(面輝度)を近赤外線で観測した場合、それには(1)太陽系からの赤外線(黄道光)、(2)銀河系(天の川銀河)からの赤外線、(3)遠方宇宙からの赤外線(背景放射)の3成分が混じり合っています。私は、このような赤外線での面輝度観測を通して、近くの宇宙(太陽系)から遠くの宇宙(銀河系外)までの性質(何がどのような物理過程で赤外線で光っているか等)を研究しています。
赤外線面輝度観測にとって、その何倍も明るい地球大気は大敵です。その為、宇宙空間からの天文観測が必要です。そこで、NASAの観測ロケットプログラムCIBER-2を国際協力の下に進めています。さらに、小型望遠鏡を木星圏まで持っていくことで高精度な観測を実現することを目指すEXZIT計画も進めており、将来的には「惑星間空間からの天文観測」を実現させたいと考えています。
このほか、小惑星探査機「はやぶさ2」、ガンマ線バースト観測衛星計画HiZ-GUNDAM、超小型衛星VERTECSなどの宇宙ミッションにも関わっています。また最近は、宇宙における生命探査や生命の起源についても興味を持っています。
社会との接点
天文学とは最も古い学問の一つであり、我々が住むこの宇宙はどのような世界なのか、どのようにこの宇宙の中で生命が誕生したのか、この宇宙には我々以外にも生命が存在するのか、などを探ることは、人類にとって最も根源的な問いを追い求めるという意味において、天文学は現代社会においても重要な学問です。
また、天文観測によって宇宙からの微弱な信号を捉える技術や、ロケットや人工衛星を用いた天文観測に関する技術は、直接的な実用面においても現代社会で大いに役立っています。
さらに、宇宙という舞台は、物理や化学、生命科学といったいわゆる理系科目のみならず、宇宙法、宇宙人類学、宇宙に関する文学や芸術など、いわゆる文系科目までも含んだ様々な分野とリンクした「総合科学」の場でもあります。宇宙をキーワードとして、身の回りの現象や社会について学ぶ「宇宙教育・アウトリーチ」という点においても、社会との結びつきは強いです。
主な卒業研究テーマ
2023年度卒業研究のテーマ
[修士論文]
- 極限環境宇宙を探査する天文衛星「HiZ-GUNDAM」搭載の宇宙望遠鏡の熱解析及び設計
[卒業研究]
- 小質量星の形成
過去の卒業研究のテーマ (ここをクリックで展開)
2022年度卒業研究のテーマ
[修士論文]
- 原始惑星系円盤のギャップ構造から惑星質量を推定する方法
[卒業研究]
- 初代銀河およびクェーサー観測による宇宙再電離の観測的制限
- 地球生命が地球外で存在する可能性
- 宇宙望遠鏡で宇宙から観測することの重要性
- 惑星状星雲の寿命の計算〜惑星状星雲が⾒えなくなるまで〜
2021年度卒業研究のテーマ
津村の育休のため卒業研究なし
2020年度卒業研究のテーマ
[卒業研究]
- ブラックホールから放出される超光速運動をするジェット
- 原始惑星系円盤から探る惑星の形成
- 2 つの恒星間天体の起源の比較
- 金星のスーパーローテーションを維持する有力なメカニズムとは
- 系外惑星大気中のダストとハビタビリティ
- 地球外知的生命体の数と文明の寿命
最近のニュース
- 津村准教授が日本天文教育普及研究会の副会長に就任しました (2024年9月29日)
- 天文学研究室修士2年の𠮷﨑謙君 が日本天文学会2024年秋季年会にてポスター発表しました(2024年9月13日)
- 天文学研究室修士1年の影山璃音さんが原子核若手三者夏の学校2024で優秀発表賞(口頭発表)を受賞しました(2024年8月25日)
- 天文学研究室修士2年の福井陽喜君の修士論文が自然科学専攻の学術研究賞を受賞しました (2024年3月19日)
- 津村准教授が監修した「こども宇宙科学」(新星出版社)が出版されました (2023年12月7日)
- 天文学研究室修士2年の福井陽喜君が「マルチメッセンジャー宇宙物理学」研究会にて研究発表しました (2023年12月4-6日)
- 「世田谷キャンパス図書館ミニセミナー」にて津村准教授が講演しました (2023年11月29日)
- 天文学研究室修士2年の福井陽喜君が2023年度光赤天連シンポジウムにて研究発表しました (2023年9月28日)
- 天文学研究室修士2年の福井陽喜君が日本天文学会2023年秋季年会にて研究発表しました (2023年9月20日)
- 「はやぶさ2#」による黄道光観測の成果の論文が出版されました (2023年8月22日)
過去のニュース(ここをクリックで展開)
- 天文学研究室修士1年の福井陽喜君が日本天文学会2023年春季年会にて研究発表しました (2023年3月16日)
- 天文学研究室修士1年の福井陽喜君が第23回 宇宙科学シンポジウムにて研究発表しました (2023年1月6日)
- 超小型衛星計画 VERTECSが、JAXA超小型衛星ミッション拡充プログラムに採択されました (2022年12月8日)
- 天文学研究室修士1年の福井陽喜君が第5回都市大研究プレゼンコンテストで優秀賞を受賞しました (2022年11月5日)
- NASAの宇宙望遠鏡JWSTに関する津村准教授のコメントが新聞掲載されました (2022年10月3日)
- 津村准教授も参加するプロジェクトで木星衝突閃光現象を発見しました (2022年9月13日)
- 読売新聞にNASA宇宙望遠鏡JWSTについてのコメントが掲載されました(2022年2月6日)
- NASA次世代宇宙望遠鏡JWSTについての記事が掲載されました (2021年12月23日)
- 2021年度東京都市大学 優秀研究賞(優秀研究者賞)を受賞しました (2021年9月17日)
- 「はやぶさ2」ウェブサイトに研究紹介が掲載されました (2021年8月20日)
- 読売新聞に「地球外生命」に関するコメントが掲載されました (2021年8月15日)
- NASAの観測ロケットCIBER-2の打ち上げが成功しました (2021年6月8日)
- フジテレビ系列「世界の何だコレ!?ミステリー」に出演しました (2021年4月28日)
- 論文が Scientific Reports誌 の TOP 100 in Physics 2020 に選出されました (2021年3月31日)
- NASA次世代宇宙望遠鏡JWSTの第1期観測に観測提案が採択されました (2021年3月30日)
- 津村担当の講義「物理学(1)演習」が「都市大・教育フロントランナー賞」を受賞しました (2021年3月30日)
- コロコロオンラインに「宇宙人はいるの?」が掲載されました (2021年1月30日)
- サイエンスキャッスル2020にて特別講演を行い、審査員を務めました (2020年12月20日)
- はやぶさ2プロジェクトメンバーがメッセージを発表しました (2020年12月18日)
- NHKラジオ第1ゴジだっちゃ!に出演しました (2020年12月9日)
- NHKラジオ第1ゴジだっちゃ!に出演しました (2020年9月3日)
- 本学に「宇宙科学研究センター」が設置され、津村がセンター長に就任しました (2020年9月1日)
- 地球の生命が絶滅しなかった確率に関する論文が出版されました (2020年8月27日)
- 世田谷キャンパスに望遠鏡ドームが設置されます (2020年8月7日)
- 「先生図鑑」に掲載されました (2020年5月15日)
- 「はやぶさ2」観測成果論文がScience誌に掲載されました (2020年5月8日)
- 著書が台灣語に翻訳されて出版されました (2020年4月2日)