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博士2年の柴政幸君(生物多様性研)の研究成果が論文として発表されました

本専攻の柴政幸君(生物多様性研:博士課程2年)による渓流沿い植物ヤシャゼンマイの葉柄が柔軟性に富むことを示した論文がScientific Reportsに掲載されました。詳細はこちらのプレスリリースも併せてご参照ください。

概要

大雨や台風といった豪雨による突発的な増水は、河川沿いに生育する植物にとってのストレスとなり、そのストレスを低減させる狭葉化した植物がそのような場所を占めることがある。このような植物は渓流沿い植物と呼ばれ、狭葉化の他にストレスを低減させる仕組みとして本研究では新たに葉柄に着目し、シダ植物の渓流沿い植物であるヤシャゼンマイを用いて機械学的および解剖学的解析を行った。機械学的解析の結果、ヤシャゼンマイは、近縁種でありヤシャゼンマイよりも内陸に生育するゼンマイよりも柔軟な葉柄を持つことが明らかとなった。また比較解剖学的解析の結果から、ヤシャゼンマイの葉柄は表皮下の細胞体積が大きくなっており、これは葉柄が受ける力に対して長い支点間距離による大きな変位が可能となるため柔軟な葉柄となり、ヤシャゼンマイは狭葉化と葉柄の柔軟化によって水流ストレスを低減させていることが示された。
尚、本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)の支援の下、実施されました。

Masayuki Shiba , Tatsuya Fukuda (2024) Rheophytic Osmunda lancea (Osmundaceae) exhibits large flexibility in the petiole. Scientific Reports 14: 2866.
DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-024-53406-4

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