本専攻の井上尚氏(生物多様性研：社会人博士3年)による日本産アゲハ属チョウ類の寄主植物に対する行動学的および電気生理学的研究に関する論文がJournal of Chemical Ecologyに掲載されました。
概要
電位アンテナグラム (EAG) 技術により、室内実験でアゲハ日本産アゲハ属チョウ類8 種の雌雄の寄主植物に対する触角嗅覚反応を電位アンテナグラム (EAG) 法を用いて比較した結果、これまでに報告されている野外観察の結果と非常によく類似していることが明らかとなった。 またメス個体と寄主植物に対する行動実験において、高スコアを獲得した植物を曝露した場合、EAG 応答は小さくなった。このことは非寄主植物から放出される揮発性物質が、寄主植物からの揮発性物質よりも顕著なEAG応答を誘発することを示した。
尚、本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)の支援の下、実施されました。
Takashi A. Inoue, Mami Suetake, Narumi Nishidzu, Fumio Yokohari, Kinuko Niihara, Tatsuya Fukuda (2023) Behavioral and electrophysiological study on eight Japanese Papilio species with five host plant volatiles and Linalool. Journal of Chemical Ecology 49: 397-407.
DOI: https://doi.org/10.1007/s10886-023-01433-2
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