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博士2年の柴政幸君(生物多様性研)の研究成果が論文として発表されました

本専攻の柴政幸君(生物多様性研:博士課程2年)によるキク科植物ツワブキの風荷重に対する葉の適応に関する論文がFrontiers in Plant Scienceに掲載されました。

概要

これまで植物に対する風の影響は、室内実験による風速コントロール下によって行われてきたが、複数地点の気象庁の気象観測システム(アメダス)設置場所付近に生育する植物を比較することによって、野外における風速に対する研究も可能になると考えられる。そこで本研究では、キク科植物ツワブキ (Farfugium japonicum (L.) Kitam. var. japonicum) の比較に用いることで、根出葉の葉身と葉柄に関連する要因を解析した。

形態学的および機械的解析の結果、葉柄の長さと葉柄の断面積が風速および破断強度と弱い相関関係を持ち、葉柄の二次断面二次モーメントが異なる集団間で大きく変わらないことを示したものの、葉身面積と葉柄断面積あたりの葉柄の長さは両方とも風速の増加とともに減少した。このことは、ツワブキは葉柄の質的な変化を起こさずに、葉柄の断面積当たりの葉柄の面積と葉柄の長さを減少させることにより、風速の増加に抵抗または回避したことを示した。

尚、本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)の支援の下、実施されました。

Masayuki Shiba, Tsukumo Mizuno, Tatsuya Fukuda (2023) Effect of strong wind on laminas and petioles of Farfugium japonicum (L.) Kitam. var. japonicum (Asteraceae). Frontiers in Plant Science 14: 1182266.

DOI: https://doi.org/10.3389/fpls.2023.1182266

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