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教育講師室

世田谷キャンパス2号館地下1階

教員 教育講師 綿引隆文 わたひき たかふみ

自己紹介

私は、公立高校で40年以上にわたって物理教育に携わってきました。その中で、実践的に研究してきたことは大きく三つあります。

1.本質的でわかりやすく、かつ、興味深い授業を創るための研究

生徒が物理を学ぶとき、どんな所でどういう誤解をしやすいか、物理概念を獲得する上でどのような困難があるか、その実態を把握することは極めて大切で、それを調べながら、生徒が物理概念を無理なく形成し、生徒にとって興味深く魅力ある授業展開を実践的に研究してきました。そのために、「学問的に深い理解をすること」「一人一人の理解課程や興味関心に寄り添うこと」が大切だと思っています。

2.21世紀の地球市民を養成する物理教育

エネルギー環境教育を、物理教育の立場から展開しようとする試みです。「エネルギーを消費する」とは、エネルギーはトータルとしては保存するが、その中で有用なエネルギーが不可逆的に使い道のないエネルギーに変わっていくことを意味します。ここでは、熱力学第2法則やエントロピー概念が重要な役割を果たします。熱学の単元でエネルギー環境教育の視点を取り入れる先行的な実践に取り組んできました。

3.生徒の素朴な疑問をスタートにし、それを深める展開の研究

例えば、「磁場の中で運動する荷電粒子はローレンツ力を受けるが、粒子と一緒に動いて見たらロ-レンツ力は消えてしまう。どういうこと?」生徒のこの疑問を深め、電磁気の初等的知識だけを用いて相対論に至るプロセスを考案しました。それを高校生向けの読み物にして希望者に配布してきました。このように、生徒からのドキッとするような質問にきちんとわかりやすく答えようとすることは、物理教育の格好の発展教材につながります。生徒の疑問をもとにした教材作成にいくつか取り組んできました。

大学初年級の物理学教育においても、学ぶ側の立場で考えたときに、どんなところに学生が困難を感じ、それを克服するにはどのような方法や説明法が考えられるか、臨床的な授業研究が必要だと考えています。この取り組みには、学生皆さんの率直な生の声が一番大切です。遠慮なく、授業への意見や質問を寄せてください。

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