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化学物理研究室

世田谷キャンパス6号館2階

教員 教授 須藤誠一 すどうせいいち
研究内容 高分子,生物・生体,建築土木,医学等の幅広い基礎科学分野において物質内部の「水の分子ダイナミクス」を検証する。
社会との接点 オリジナルの測定装置を用いた様々なナノ計測による社会貢献。

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研究内容

水は地球上で最も豊富な分子種の一つで、人類の生命活動に欠かせない物質です。例えば、生活の最重要項目である生命・食・住に関係した物質の多くは内部に水を含んでおり、その物性や機能性は水-溶質分子間に働く電気的相互作用によって形成された分子集団によって決定されます。

この分子間に働く相互作用はピコ秒(1000億分の1秒)で構築 ・崩壊を繰り返すため、形成される分子集団はその組成が絶えず変化している動的構造体です。この極めて速い構造の崩壊・再構築や周囲の溶質との分子相互作用といった「分子ダイナミクス」を観測することは困難であるため、この分子集団の動的情報には未解明な部分が多く存在しており、実験やコンピュータシミュレーションによる検証が盛んに行われています。

本研究室では、研究室オリジナルの実験技術・装置である広帯域誘電分光法、自己光混合レーザ計測法を用いて、液体、生体、食品等の「やわらかい物質」の物性発現機構(メカニズム)を解明すること、「水構造」という共通の尺度で理解することを目指しています。

社会との接点

・水中の微粒子検出・解析技術の開発で特許第6050619号を取得。水構造の評価による生体・食品の物性評価装置で特願2012-161366を出願。

・自己光混合レーザ計測法の応用研究に関する成果が、日経新聞(インターネット版)、建築通信新聞、電気新聞に掲載。「日本光学会が選ぶ2019年の日本の光学研究を代表する成果」に選ばれました。

・独立行政法人 森林総合研究所との研究で、水構造評価による立木の健常性評価に貢献。近年、作業者不足を受けた間伐作業の停滞による地盤の脆弱化の改善に貢献。

・ガラス形成物質、セルロール系液晶物質、ゾル・ゲル物質の相転移現象等の分子ダイナミクスの解明を、広帯域誘電分光法を用いた時間構造解明、自己光混合レーザ計測法を用いた空間構造解明の研究に従事。それぞれの手法で得られた特徴を用いて、オリジナルの時空構造モデルを構築することで、水複雑系物質の動的構造解明を先駆的に行ってきた。

主な卒業研究テーマ

須藤教授

「JST発 情報分野・機械分野・電子デバイス分野 新技術説明会」(2015年10月30日開催)にて発表

自己光混合レーザ振動計の光学系

自己光混合レーザ振動計の光学系
Journal of Applied Physics 115, 233103 (2014)
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