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生物多様性研の学生が第88回日本植物学会で発表しました

生物多様性研究室の柴政幸君 (博士課程3年、日本学術振興会特別研究員) が、第88回日本植物学会(宇都宮大学)にて発表しました。

渓流沿い植物ヤシャゼンマイの胞子葉の葉柄も柔軟性を獲得しているのか? -栄養葉との比較から
演者:柴政幸(生物多様性研:博士課程3年、日本学術振興会特別研究員)、福田達哉

要旨:植物は,環境に適応する際に様々な形質の変化に伴うことが知られている.このうち河川沿いに生育する植物は増水時に水流といったストレスを受けるために,そのストレスを低減・回避に寄与する狭葉化を獲得していることが報告されていた.近年,演者らは渓流沿いのヤシャゼンマイとその近縁な陸上種であるゼンマイの栄養葉の葉柄における力学的特性を解析した結果,材料の破断時の変形割合を示す破断ひずみはヤシャゼンマイの方がゼンマイに比べて大きいことが示された.このことはヤシャゼンマイの栄養葉の葉柄が陸上種よりも大きな柔軟性を獲得していることを示しているものの,この葉柄の柔軟性は胞子葉も同様の傾向を示すのか,といった問題が生じた.そこで,本研究ではヤシャゼンマイとゼンマイの胞子葉の葉柄に関して,比較力学的計測を行った結果,破断ひずみは両種間で統計的に有意な差が認められ,ヤシャゼンマイの方がゼンマイよりも変形割合が大きいことが示された.これらの結果を踏まえ,ヤシャゼンマイの胞子葉の柔軟性の差異について議論を行う.

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