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修士2年の石井知希さん(生物多様性研)の研究成果が論文として発表されました

本専攻の石井知希さん(生物多様性研:修士課程2年)によるマメ科植物ハマナタマメの海岸地適応様式に関する論文がInternational Journal of Biologyに掲載されました。

 

概要

広範囲に分布する植物は、分布域内の環境の違いによって生態的に分化していることが知られている。マメ科植物のハマナタマメ (Canavalia lineata (Thunb.) DC.) は海岸地に生育する海流種子散布を行うツル性の植物であり、太平洋側の場合、北限を千葉県とし南西諸島まで広く分布している。そこで本研究では、この植物の北限集団が南方集団と生態的な分化を有するのかを明らかにするために比較解析を行った。

その結果、種子浮遊能力や発芽適温、そして休眠に対する温度の影響は北限集団とその他の集団で有意な違いが見られなかった。この植物の種子は1ヶ月以上も浮遊し、かつ発芽能力も低下しないことから、海流による長距離散布によって北限集団に南方から生態的な分化を経ずに種子が流入されて集団が形成されている可能性が示された。

尚、本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)の支援の下、実施されました。

 

Chihiro Ishii, Masayuki Shiba, Yoshimasa Kumekawa, Tatsuya Fukuda (2022) Seed Germination and Seedling Emergence of Canavalia lineata (Thunb.) DC. (Fabaceae). International Journal of Biology 14: 8-18

DOI: https://doi.org/10.5539/ijb.v14n1p8

URL: https://ccsenet.org/journal/index.php/ijb/article/download/0/0/47066/50362

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