メニュー 閉じる

客員研究員の柴政幸君(生物多様性研)が研究成果を論文として発表しました

柴政幸君(生物多様性研)による海岸地適応種であるハマエノコロの海岸地環境への適応メカニズムを明らかにした論文がBotanical Journal of Linnean Societyに掲載されました。

概要

海岸地は特殊な環境の一つであり、植物はこの環境に適応するために様々な変化を遂げてきました。イネ科植物のハマエノコロの沿岸環境への適応様式を明らかにするため、野生種および栽培種を対象に、形態学的、解剖学的、力学的解析を行うとともに、近縁種であるエノコログサとの比較を行いました。形態学的解析から、ハマエノコロは海岸地特有の強風に耐えるため、短い稈長と小さな穂を持ちながらも、分げつ数を増やすことで適応度を最大化していることが示された。解剖学的解析では、本種は気孔数と気孔サイズが減少していたが、栽培条件下ではこれらが増加していたために、海岸地環境に適応するために気孔が可塑的な変化を示していることが明らかとなった。また力学的解析の結果、ハマエノコロとエノコログサの稈強度に有意差は認められなかった。さらに、栽培実験の結果から、栽培されたハマエノコロは野生種と比較して分げつ数が少なく、稈が長く、穂が大きいことが示されたが、個体当たりの穂重に関して両種間で有意差が認められなかった。これは、ハマエノコロが総収量に影響を与えることなく風圧に適応するために、可塑的に形態を変化させる戦略を持っていることを示唆している。

尚、本研究は科学研究費助成事業基盤研究(C)および特別研究員奨励費の支援の下、実施されました。

Masayuki Shiba (客員研究員), Ryosuke Sato (大学院修了生), Shiori Harada (博士課程2年), Tatsuya Fukuda (2026) Adaptation strategy of Setaria viridis var. pachystachys to coastal environments based on morphological, anatomical, and mechanical analyses using wild and cultivated populations. Botanical Journal of the Linnean Society 212: 69–81. 

PAGE TOP